◆タイプ1の子供は親をどう受け止めているか
タイプ1の子どもは小さいうちから、自分がしっかりしなければいけないと思っています。親を頼りにすることはできないし、親は自分の欲求を満たしてくれないと感じているようです。
親がじっさいどうであったかは別として、タイプ1の人はよく、自分が親からたっぷりの愛情を注いでもらった記憶がないといいます。
タイプ1の子どもが受け止めやすいのは親からの命令や禁止のメッセージです。それが大きくなっても、心の中の声として聞こえてきます。
「~しなければならない」「~すべきである」「~すべきではない」「~してはならない」と。そういった命令や禁止のメッセージを、自分自身の内面の声として取り込んでしまうのです。
ですから、タイプ1の子どもは自分に対して厳しくなりがちです。こういう子どもに対して、親が必要以上に厳しくするなら、ますますその子は苦しくなってくるでしょう。
あるタイプ1の男性は、子どものころ、テストであまりいい点が取れなかったときに、それを見た親から「もっとがんばれ」「がんばらないからだめなんだ」といわれたことがあったそうです。そのとき、彼は自分は一生懸命がんばっているつもりなのに、これ以上いったいどうやってがんばればいいんだと、泣きたい気持ちになったそうです。
こういった傾向から、タイプ1の子どもに対して、親が気をつけなければならないことが浮かび上がってきます。つまり、子どもをほめて育てることの大切さについて理解を深めることです。
タイプ1の子どものがんばりに対して、親はいくらほめてもほめすぎることはありません。なぜなら、タイプ1の子どもの素質は、親から否定されたことのほうをより敏感にキャッチし、それが後々自分で自分に厳しくしすぎる傾向と結びつきやすいからです。
自分の妻や子どもを本人の前ではぜったいほめないという男性がいました。彼は「人はほめればつけあがる」という思い込みの持ち主でした。おそらく、彼自身親からそういわれたことがあるのを敏感にキャッチし、自分のなかの信念として取り込んでしまったのでしょう。その男性もタイプ1でした。
タイプ1の子どもに対しては、いつも一生懸命がんばっていることを認め、ほめてあげ、「だめ」「~してはいけない」ではなく、「いいよ」「やってごらん」と肯定的なメッセージを送ることが望ましいと思われます。
◇タイプ1の子供は親をどう受け止めているか
インタビューより
「わたしの両親はあまり親としての愛情を直接的に表現する人たちじゃなかったですね。かといって、厳しかったわけではないけれども、なんかリアル感がなかった。親と触れ合った記憶があまりないですね。体の感覚として。実際はあったのかもしれないけど薄いです。
この間、パートナーと海で泳いでいて、わたしは泳ぎがそんなに得意じゃないから、彼につかまって安心感を得たんですけど、あっ、こういう安心感を子どものときに感じたことはなかったな、お父さんにつかまったら大丈夫だっていうのがなかったなというのを思い出しました。
父はわたしが無邪気に「これできたよ」というと、必ず否定的なことを言う。たとえば、就職が決ったときも、決まったんだよと無邪気にいったら、そういうところで大丈夫なのといわれるから。ほとんど毎回ネガテイブ。ただ、そのころは大人になってたからまだよかった。子供のときのことは覚えていない。でも、もっと受け止めてほしかった。」タイプ1 女性
「母親の愛情をわたしは感じたことがありません。父親の愛情も感じたことがない。ほめられたことってない。無邪気とかそういうのは一回も見たことがない。言葉でも「がんばったね」とか、「すごいね」というのは言ってもらったことないし、つねに「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」と。
小学校のときから学級委員やったり、勉強はよくできたのですが、優秀な子でも母は自慢はしないんですよ。周りにすごいねといわれれば、なおのこと、すごいねを保たなければいけないじゃないですか。
すべてが否定されてたんですよ。あれはだめ、これはだめと。そろばん塾に行きたいといったときも、だめですと。何々したいといったときにだめですと。いいよといってもらえたことがない。頭ごなしにこうしなさいと全部決められてて、愛情を注いでもらえなかったなというのがある。」タイプ1 女性
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→子供は親をどう見ているか はじめに/
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