◆タイプ6の子供は親をどう受け止めているか
タイプ6の子どもは、母親よりも父親に対して、ないしは父親的な役割の人に対して、より肯定的な結びつきを感じ、親密な感情を抱いている場合が多いようです。
子どもの父親がじっさいにはどうであれ、父親的存在というものは、子どもを保護し、子どもが安心して頼れると同時に、ときには子どもの自立を促すために、子どもを厳しく突き放し、かつ導いていってくれるような存在です。タイプ6は大人になっても、父親的権威を求め、同時にそういったものに対する反発を強く持っていることがあります。
タイプ6の子どもにとっては、父親との関係が非常に重要になります。子どもが親から自立し、社会に出て行くとき、とくに父親は子どもを守ってくれる存在であると同時に、子供の前に立ちはだかる壁となります。子どもにとって父親的存在というものは、権威の象徴でもあるといえます。また、同時に安心感を与えてくれる存在、頼れる存在でもあります。
そこで、子どもは「よい父親」のイメージを取り込みつつ、現実の父親に対して肯定的な愛着を抱くと同時に、ときに理不尽な存在として反発を感じ、反抗することにもなります。タイプ6の子どもだけに限らないとは思いますが、タイプ6においてとくに、父親的存在への執着が大きいのです。
父親的存在と見なされるのは、必ずしも実の父親だけとは限りません。父親よりも祖父が権威を握っていて、孫に対して父親的に振舞うという場合もあります。学校の先生やスポーツクラブのコーチなどが、父親的役割を担っていることもあります。
ある女性は、幼いころ父親に遊んでもらった楽しい記憶と同時に、父親に怒られたときの恐さについて語ってくれました。彼女はのちに、かなり年上の妻子ある男性と交際したことがあるということでしたが、異性に対して何らか、父親的なものを求めたのかもしれません。
もし、現実の父親が「よい父親」ではなかったとしても、タイプ6はその父親との結びつきに執着するところがあるといわれています。たとえば、幼いころ父親に虐待された経験があると、大人になっても他人と、そういう関係を繰り返してしまうということです。
両親の揃っていないシングルファミリーの場合、母親的役割をする大人や父親的役割をする大人が、その子の身近に必要になってくることがあります。とくに父親がいなくて母親とタイプ6の子ども家庭では、子どもにとって父親的な存在となりうるような大人が近くにいることが望まれます。
◆タイプ6の子供は親をどう受け止めているか
インタビューより
「たとえば、テレビを姉と私が一番いいところを見てるときに、父親が仕事から帰ってきて何の承諾も得ず、がちゃがちゃっとチャンネルを変えちゃうわけよ。そうすると、すごいショックなのよね、あと十五分で結末見れるのに。それで私なんか、何で変えるんだろうって感じなんだけど、姉が一度だけ父親が背広をかけに行っているときにチャンネルを戻しちゃった。
そしたら、かえってきて父親がバチッと。姉は黙ってチャンネルを変えた。そのとき、わたしは小学生だったんだけど、ただじゃおかねえ、こいつ、殺してやろうと思った。お前が間違ってると思ったのよ。お前が金稼いでくるのはたしかに偉いことだけれど、こんな横暴許されないと。
わたしは末っ子だし、父親はぎりぎりまでわたしのことをかわいいっていうのがあったんだね。でも、わたしに手をあげるときは、今度は姉の比じゃなかった。逆らってるから。わたしはなんとか泣かないですむ方法を自分で考えて、いつかこいつぶっ殺ししてやると。
高校ぐらいから、父親がサラリーマンの切なさみたいなものを少しずつ見せるようになったので、わたしのなかの溜飲が少しおりたのね。
あるとき、あれ、なんでお父さんのおばあちゃんいないのという話になって、そしたらお父さんは小学校のとき、お父さんもお母さんも死んじゃったんだよという話を聞いたりして、だんだんせつなさがわかってきて。母親のほうがずるいと思うようになりました。自分は働きもしないで専業主婦で、文句だけ言って、子供たちを味方につけて。
それでも、わたしが勤めに出てからも、父はわたしの帰宅が遅いと殴るわけ。玄関入るとばちっと。わたしが残業してるんだよ、バカじゃないの、いい加減にしなさいよみたいに言うと、若い娘がこんな時間に帰ってきて、どうたらこうたらと。それが脳梗塞で倒れて、もう完全に変わってしまいましたけどね。
父が亡くなってから、あるとき姉と母親がけんかをしたのね。そのとき、姉がわたしはやっぱりお父さんが好きだったと言ったの。お姉さんは、お母さんのほうじゃなかったのというと、だってお父さんは本当に思ってくれててたものと。わたしも今ならそう思うのよ。ほんとに愛してくれたんだね。かわいがりすぎてわけわからなくなっちゃったのね。」タイプ6 女性
「ぼくは長男。小さいころ、父親は仕事が忙しかったのかなんか、接点がない。たまに早く帰ってきたときに一緒にお風呂に入ったぐらい。楽しかったですね、父親と話をするのは。これはどういうことなのか、これはなんなのとか、身近な疑問を話してました。
でも、小学高学年から中学校ぐらいのときは、押し付けるというか、それが当たり前のように思っているようなことが多くて、それに対して異を唱えることができないんですね。ふだんはぼくもハイハイと言って聞いてますけど、ときどき反抗したりして、二日三日出される食事をまったく食べないとか、そういうことをよくやっていましたね。
反抗して家出をしたこともあります。あまりにも理不尽なことを言われたんだと思うんですね。些細なことだったのかもしれないけど。母が必死になって、ぼくを探し回っていた。」タイプ6 男性
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