◆タイプ8の子供は親をどう受け止めているか
タイプ8の子どもは、母親的な存在から拒絶されたという感覚を持っています。自分は母親の持つやさしさや暖かさ、ぬくもりといったものを受け取っていない。ことに、感情面でのケアを受けていないという感覚があります。
ですから、タイプ8の子どもは男でも女でも、タフであろうとします。自分が強ければそれで、やっていけると思うのです。しかし、表面的な強さとは裏腹に、内面には非常に傷つきやすいものがあり、人から拒絶されることに対してとても敏感なところがあります。
エニアグラムに関心を持ち、ワークショップなどに参加される方のなかには、もちろんいろんなタイプの人がいます。タイプ1からタイプ9まで、いろんな人がいて、動機もさまざまです。純粋に個人的な動機で、自分のことをもっとよく知りたい、理解したい、そのための手がかりとしたいという人もいれば、主に仕事の関係で、企業研修やマネジメントやキャリアカウンセリングに役立てようと、積極的に取り組んでおられる方もいるようです。
そういうなかで、筆者もいろんなタイプの人と出会ってきましたが、どこのワークショップでもタイプ8の男性が参加されることは少なく、なかなか直接話が聞けませんでした。とくに男性のタイプ8は、心の内面をさらけ出すということに抵抗があるようです。それは何か、人に自分の弱みを握られることのようにも感じられるのでしょう。
そういうわけで、親子関係についても、タイプ8の女性から話を聞くことはできましたが、じつは男性からは話が聞けていません。ただ、母親的なやさしさや思いやりを自分は受け取っていないという感覚、感情的なケアがなされていないという感覚は無意識に抱いているのではないかと推測されます。
それゆえに、男性のタイプ8はことさら、男性性を膨らまし、”女々しい”自分であることを避け、強い男であろうとするのではないかと思います。
子どもは誰でも、母親的なやさしさを求めています。親から自分が受け入れられ、やさしく細やかな愛情を注がれることを望んでいます。
◆タイプ8の子供は親をどう受け止めているか
インタビューより
「母は自分のことで精一杯でしたね。主婦なのにうちの中のこと、何もできない。料理もできない、掃除もできない。だけど、勉強会とかには行くんですよ。母の実家はわりと優秀で、父は平凡。父はどっちかというと、平和に暮らせればいいという守りの姿勢ですね。
母はよく父のことでグチを言っていました。自分の人生は何でうまくいかないんだと嘆いてばっかり。わたしはつねに母の人生とか夫に対することでの聞き役だったんです。自分が子どもを産み育ててみて、恐ろしいなと思うのは、そういう母親に言われたことってすごくしみこむものなんですよね。わたしは母も嫌いだし、父も嫌い。尊敬できない。だから、ともかく早く親から離れたかった。」タイプ8 女性
「父親にはかわいがってもらった記憶があります。ずっと幼いときですが。わたしの場合は母親が気分のむらが大きくて、家に帰るのが嫌だった。大学に行くことで家から出ていこうとしました。受験に失敗したら、修道院に入ろうかと本気で思っていました。父も母もどちらも頼りにならない。自分は自分でやっていくしかなく。大学を出てからは、家に帰りたくないばかりに、心から尊敬できないタイプの男性と付き合い結婚、離婚。自分のエネルギーをフルに発揮できる方向に導いてほしかったです。でも、うちの親にはそれが無理だったと思う。私の方がエネルギーが強すぎたし、反抗的だったし」タイプ8 女性
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