2020年6月25日(木)
コロナ時代とエニアグラムーセンターに与えるダメージ-1
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コロナ感染拡大がもたらしたセンターのダメージについて


6月25日現在、コロナ感染拡大から自粛へ、そして自粛解除となりましたが、自粛解除による人々の動きから感染拡大の第二波が懸念されるところです。

コロナ以前と以降ではわたしたちの生活は同じではありません。もう、もとへはもどれない。人々が何の心配もなく集まり、会話し、学び、飲食を楽しみ、歌い踊ることのできた時代。

いまのところ、それは過去のものとなりました。

いずれコロナウイルスも撲滅されるか、有効なワクチンが開発され、生死を分けるような危険なものではなくなってくるのでしょう。そう期待したいし、現代の科学・医学の知恵はそれが可能となるはずです。

けれども、日常生活を振り返って、わたしたちはすでに大きなダメージを受けています。

コロナ感染拡大は世界的・人類的なトラウマを引き起こしました。個々人のなかでは、根源的な恐れが浮上しました。根源的な恐れとは、生きていけるのだろうかという恐れです。

個々人のパーソナリティを突き動かしている根源的な恐れは、その恐れを回避するために何らかの戦略を持ち、その戦略が根源的な欲求となって個々人を突き動かすことになります。

この根源的恐れとは別の角度から、コロナ感染拡大の時代に私たちが受けたダメージについて考えてみたいと思います。

それは各センターへのダメージについてです。

大きなストレスが与える本能センターへのダメージ

筆者は本能センターのタイプですが、大きなストレスを受けた時の反応について記憶しているものがあります。学生時代、部活の仲間と合宿に行ったとき、仲間の一人の男子が軽い気持ちでガラス窓を殴るジェスチャーをしていた時、彼の手が本当にガラスを突き破ってしまったのです。

私は彼の先輩だったので、落ち着いて手当てをしようとしました。本人もショックを受けており、私は自分が頼られているのを感じました。

そこで止血し、近くにあったタオルか何かで応急処置をしましたが、その時の私自身の反応は「吐き気」でした。胃腸にストレスが出ます。

昔、離れて住む父が亡くなったという知らせを受けた時、そのときはたまたま家にいたのですが、胃のあたりから体が折れ曲がるような感じで、力が抜けてしまい、しばらくうずくまるような感じで、横になっていなければなりませんでした。

もっと軽いストレスにおいても、筆者はだいたい腹センターにダメージを受けます。

そしてしばらく動けない時期が続くと、次に何をするべきかを考えはじめ、動き出さなければと思います。本能のセンターのエネルギーは行動に向かうエネルギーです。

それを思考を使って動かそうとするのですから、ストレスが大きい時ほど、ただ動いているだけで、右往左往するような状態になり、適切な行動がとれていません。

悲しみや抑うつ的な感情、また慈しみの感情などが湧いてくるのはずっと後です。

あなたはどうでしょうか?

感情センターのタイプであれば、感情的な反応が第一に出るのではないでしょうか。

泣いたり、人に何らかの感情をぶつけてしまいたくなったり、人と気持ちを分かち合わないではいられないかもしれません。

感情の中枢は胸の真ん中あたりにありますから(ヨガでいうアナハタです)、心臓がどきどきする、過呼吸状態になる、文字通り胸がふさがるような感じを持つでしょう。

思考センターであれば、思考が空回りするような状態になるかもしれません。そのとき、感情は感じられず、ロボットのような動きをしてしまう可能性もあります。

話を本能センターに戻して、コロナ禍は誰にとっても本能センターへのダメージを与えるものでした。いまでもそうかもしれません。

たとえば、体重が増えてしまったという人も、たんに自粛によるひきこもりで運動不足になったからというだけではなく、食生活において何らかの乱れやもつれがありませんでしたか?

暴飲暴食、不規則な食事時間、栄養の偏った食べ物など。

家でヨガや筋トレなどできることがあるというのが、頭のなかではわかっていたとしても、やるきになれなかったことはありませんか?

身体を動かすのが面倒くさい、おっくうになるということもあったのではないでしょうか?

適切な行動がとれず、檻の中の動物のようになってしまったかもしれません。

本能の知性を適切に働かせるには、自分自身の身体とのつながりを取り戻さなければなりません。ストレス時には呼吸が浅くなり、体が緊張しているものです。

そこで、背骨をまっすぐに起こし、頭を目に見えない後ろの壁にあずけるような姿勢で、ゆっくりと鼻で呼吸を繰り返しましょう。

ストレス時でも深呼吸を繰り返すことで、体がリラックスし、眠れなかった人も眠れるようになるということがわかっています。

ただ、深呼吸をすることすら、思いつかないというのが本能センターに与えるダメージです。

そういうときは、傷ついた動物のようにしばらくの間、休息に入るのがいいかもしれません。



感情センターにダメージを受けると対人関係を悪くする?!

大きなストレスはもちろん、誰にとっても感情センターにダメージを与えることがあります。怒りっぽくなったり、涙もろくなったり、陰鬱な気分で沈み込んだり。

極端な場合、「もう死んだほうがまし」というようなことを言い始めることもあります。

たとえば、筆者の母は感情センターの人で、何か大きなストレスがかかると、感情表現が(傍から見れば)オーバーになり、自分が悲劇の主人公のようになってしまうことがありました。

感情は一人で処理するのがなかなかむずかしいものです。そのため、おのずと周りの人に、その感情が向けられることになります。平常時には落ち着いて、思いやりがあり、愛情深い人でも、強いストレスがかかると、他人に対して感情の赴くままの言葉を浴びせかけてしまうことがあります。

感情的になってしまっているときに、人に向けた態度や言葉は、感情がおさまればそれこそ波が引くように、本人のなかからは引いていってしまうかもしれません。しかし、その態度や言葉は、向けられた方の相手の記憶に残ってしまいます。それが対人関係を悪化させることにもつながりかねません。



ストレス時の感情の表出はわりあい身近な人に向けられるでしょう。身近な人が、それを寛容に受け流せる余裕があればいいですが、コロナ時代のストレスは、相手もストレスを感じているときですから、なかなか受け流すのが難しいでしょう。

そこで、感情のコントロールということが必要になってきます。感情のセンターのエネルギーは、胸の部分にやどっています。そこで、身体的なアプローチによってストレスの緩和と感情の乱れを治めていくことがすすめられます。

胸を開くことです。ヨガではアナハタと呼ばれる胸のエネルギー。「胸がふさがる」とか「胸がつぶっる」という言葉があるように、感情センターのダメージは身体的にも胸を閉じるような形になっていきます。

背骨をまっすぐにたて、頭頂を天井から吊られているようなイメージで立つか座るかし、両肩を後ろに回しおろし、胸を開きます。

そして、ゆっくり呼吸します。

床にあおむけに寝転がって、背中の胸の後ろにクッションや折りたたんだブランケットを置き、胸を広げるような姿勢で呼吸を続けるのも効果的です。

両手を広げ、肩甲骨を背中に寄せるような感じで胸を開き、しばらく呼吸するだけでも気持ちが違ってきます。
(胸を開くポーズ 一例)


次にコロナストレスが思考センターに与えるダメージについてです。

コロナ時代とエニアグラムーセンターに与えるダメージ-2




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