2020年5月22日(金)
コロナ時代とエニアグラム―エニアグラムの知恵をどう生かすか?
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コロナ時代のエニアグラム


 コロナ感染拡大によるコロナ体験が、わたしたちの根源的恐れを呼び覚ます

コロナウイルス感染拡大で世界の状況が一変しました。私たちは人類的なトラウマを抱えることになりました。

 誰もが死に直面した状況というには大げさではありません。少なくとも死を思い出させる状況です。

 3月下旬から続いたコロナ自粛は次第に解除されても、やはりコロナウイルス感染への恐れは去りませんね。コロナとの付き合いは当分続くと言われています。

 このような状況において、私たちはエニアグラムの知恵をどのように役立てることができるでしょうか?

 3月末からしばらく続いた感染者急増のニュースは、私たちの「根源的な恐れ」を呼び覚ましました。

「根源的な恐れ」とは生存できないのではないかという恐れです。自らの死への恐れです。

 根源的恐れが呼び覚まされると、人はつながりを失った感覚をもちます。この世界とのつながり、他者とのつながりーーそういったものから、切り離された感じ。その先には、底のない孤独が広がっているように思われます。

 もっとも、私たちは、おそらく多くの人が、目の前のコロナ対策のためにさまざまな行動をしなければならず、
自らの内面にまで目を向ける余裕がなかなかありませんでした。

 ここで、せっかく学んだエニアグラムの知恵を用いて、自らの反応を少し振り返ってみることにしませんか。



 

あなたが困難に直面した時の反応は?

  
 ストレス時の三つの反応:ハーモニックグループ

 エニアグラムの9つのタイプを3つのグループに分類する三つ組みの理論に、米国エニアグラム研究所のリソ&ハドソン両師が体系化したハーモニックグループの考え方があります。

 私たちが非常に困難な状況に直面したとき、ストレスフルな状況に置かれた時、どのように反応するかということですが、ハーモニックグループの考え方ではそれには3つの構えがあります。

   1:楽観的な見通しを持つ。
  2:感情がリアルに反応する。
  3:問題に対処し処理する。


 1:楽観的な見通しを持つ。
 だいじょうぶなんじゃないか、そんなに大変なことは怒らないだろう。なんとかなるだろう。

 2:感情がリアルに反応する。
 これは大変だ、いったいどうなるのか、不安だ、辛い、感情が波立つ、じっとしていられない。

 3:問題を処理しようとする。
 この問題を処理するために、どうすればいいのか考え、その方法を見つけようとする。

 1:楽観的な見通しはたしかに必要かもしれない。けれども、事態の深刻さを見過ごし、事態に対応できていないかもしれない。

 ストレスフルな状況に直面したとき、まず最初にこのような反応を示す人たちがいます。

 タイプ2、タイプ7、タイプ9 あるいは私たちの内なるタイプ2、タイプ7、タイプ9的部分はそのように反応するでしょう。

 2:感情が反応し事態を深刻にとらえる。じっさい困難な事態に直面した時の反応が早く、事態の深刻さを周りの人びとに知らしめることにもなるかもしれない。ただ、感情が波立ち、居ても立っても居られない感じで動いてしまう。

 ストレスフルな状況下で、最初にこのような反応を示す人たちがいます。

 タイプ4、タイプ6、タイプ8 あるいは私たちの内なるタイプ4、タイプ6、タイプ8的な部分はそのように反応するでしょう。

 3:問題に取り組み処理する。このグループはコンピテンシーグループと呼ばれています。コンピテンシーとは「成果に結びつく行動特性を示す」ということで、困難な状況において、まずこの問題を処理するための方法を見つけようとする。ただ、自分の感情的な問題は扱わないし、他者の感情的な問題にも取り組まない。

 ストレスフルな状況下で、最初にこのように問題解決に向かおうとする人たちがいます。

 合理型と呼ばれることもあるそれらのタイプは、タイプ1、タイプ3、タイプ5であり、私たちの内なるタイプ1、タイプ3、タイプ5的な反応です。

 私たちは、自分自身のうちにこれら三つの構えを見出すでしょう。あなたのなかでは、まず最初にどのような反応が現れたでしょうか?




 求められる態度は……

 楽観的でありながらも、事態を深刻にに受け止め、冷静に見通しを立て問題を処理する。

 困難な状況においてもなお明るい見通しを失わず、思いやりをもって、自分自身また周りの人の感情のケアをしながら、冷静に事態に対応し直面している問題の解決を目指して、目標達成に向けた行動をする。 



 困難な時期においてこそ、自らの内に生じる反応に目を向け、観察し、いまここにとどまりましょう。上にあげたどの反応も、ポジティブ面とマイナスの面があります。

 未来に対する明るい見通しは必要だし、そのような見通しをもってこそ、今現在の困難な状況を耐え抜き、希望をもって過ごせるでしょう。

 コロナ感染拡大は全世界の人々にとっての試練です。まさに人類的トラウマ状況に私たちは直面しているわけです。このようなときに、私たちの周りには不安を抱え、いらだち、怯え、暗い見通しを持ち、将来を悲観している人たちもたくさんいます。あなた自身もそうかもしれません。

 (筆者自身も3月から4月、5月にかけて、悶々とした日々を過ごしました。そこでも、やはり支えとなったのはこれまで学んできたエニアグラムの知恵でした。)

 そういう時期には、ただ楽観的な見通しを持つだけでは処理できない感情の問題があります。自分自身はとくに感情的な問題を感じていないとしても、深層意識のなかではやはり、大きなショックがあり、ストレスがあるのは、おそらく間違いないでしょう。

 感情的な真実に触れることも大切です。不安や恐れ、いらだち、抑うつ的な感情なども、一人で抱えず、互いに分かち合うことができるでしょう。

 つながりがあればこそ、それができます。

 ですから、つながりを絶やさないようにしましょう。

 もちろん、楽観的な見通しにも悲観的な思いにも左右されず、いま直面している問題を処理し、解決していくために考え、行動することも必要です。誰にとっても、そのような態度は必要になるでしょう。

 わたしたちは今の生活の中で、問題に冷静に対処し、より望ましい方策を見出し、対応していかなければならないことがたくさんあります。冷静に物事に対処し、問題解決のための目標に向かって行動していくことが必要です。

 多くの人がストレスを抱えている状況では、そういう場所やまた人に対しても、自らのイライラや怒り、ため息交じりの抑うつ気分などをぶつけてしまう人がいます。自らの感情をコントロールすることも必要ではないでしょうか。抑圧ではなく、コントロールです。

 そのためには、自らの感情的反応と自分自身を同一化しないことです。

 一呼吸しましょう。反応によって突き動かされることのないように、深く呼吸をし本来の自分自身を取り戻しましょう。

 私たちは現在のような大きなストレス下にあると、自分が切り離された感じ、自分がないがしろにされているいう思い、恥あるいは恥辱の感覚、底知れない孤独感やこれ以上やっていけないのではないかという不安に苛まれることがあります。

 しかし、人類的トラウマ状況は、その一方で人はみな同じ、つながっているということも思い起こさせるものだということに、目を向けなおしてみるのがいいのではないでしょうか。

 そして、まずは身近な人に思いやりをもって接しましょう。たとえオンラインであれ、離れたところにいたとしても、わたしたちはつながりつづけることができます。

 他者に思いやりを要求するのではなく、自ら思いやりを示したいものです。

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