2020年2月25日(火)
センターの不均衡について-1:センターの不均衡とは?
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通常の自我状態において私たちの精神機能は混乱をきたしているー私たちは真に感じていない、適切に考えていない、リアルに存在しない


センターの不均衡とは?

今年(2020年)のエニアグラムサロンのテーマ「人はなぜとらわれから抜け出せないのか?」を考えるうえで、センターの不均衡(インバランス)の問題を取り上げることにしました。

センターの不均衡は、グルジェフの考え方に基づいて、リソ&ハドソンが理論構築したものですが、共通の考え方は他のエニアグラムティーチャーの間にもみられます。ここでは、リソ&ハドソンの考え方を踏襲し、わたしたちがワークの中で共通理解としてきた内容についてシェアしたいと思います。

エニアグラムの9つのタイプは、それぞれ本能・感情・思考という三つのセンター(中枢)に対応します。センターの概念はタイプに先立つものです。センターについての理解がなければ、9つのタイプについての理解も表層的なものにとどまるでしょう。

三つのセンターは人間の知性=精神機能と関係しています。知性と言えば、多くの人が頭の中の思考機能と関連するものと考えがちですが、感情の知性や身体に宿る知性もあります。
センターについての教えは、グルジェフからきています。とはいえ、知情意という言葉があるように、三つの精神機能の重要性は、世界各地の思想家や哲学者、修行者などによって、昔から知られていたものです。

グルジェフは本能センターを動作センターMOVING CENTER、思考センターを知性センターINTELIGENT CENTERと呼んでいました。感情センターはEMOTIONAL CENTERと呼ばれています。

身体の部分と対応させれば、本能センターは腹、日本の武道などで丹田と呼ばれる部分、感情センターは胸、思考センターは頭のエネルギーとつながっています。

この三つのセンターは、わたしたち一人ひとりのなかで同時に働いています。一つのセンターが働けば、それと絡んで他のセンターもさまざまな働きをします。

しかし、人はセンターの使い方を誤っている、あるいは混乱していると言っています。一番、近い言葉は「各センターがとっちらかっている」という感じです。

グルジェフのたとえ 主のいない家 適切な仕事をしていない召使たち

グルジェフはわたしたちの状態を主人のいない召使ばかりの無秩序な家にたとえています。召使たちはこの家の中で、それぞれが自分に適した仕事ではなく、本来自分の受け持ちではないような仕事をてんでばらばらにやっている。たとえば、料理人が運転手をし、運転手は庭師の仕事をし、庭師が料理を作り、メイドが会計をやっているというふうに。その結果、誰も仕事をうまくやりとげることができず、屋敷の中は効率が悪い働きをする召使たちばかりで混沌とした状態になってしまっているというわけです。

そこで、家の中が混乱した状態をおさめるためには、それぞれが本来の自分の仕事に戻らなければなりません。それがセンターのつながりを取り戻すということなのです。

グルジェフによれば、私たちが通常の意識状態にいるときは、センターを感じていないといっています。本当に感じたり、考えたり、自分の体の中にいるということができていないということです。意識がどこかあらぬところへ飛んでしまっている状態といってもいいかもしれません。

そうすると、私たちは周りで何が起こっているのかをリアルに知ることはできないということになります。

ひとつのセンターは他の2つのセンターのどれかとのバランスを欠いているかもしれません。あるいはセンターそれ自体とのつながりを失っているかもしれません。その混乱の仕方には、9つの可能な組み合わせがあります。

それがリソ&ハドソンにおいては、センターの不均衡という理論にまとめられ体系づけられているわけです。

エニアグラムの9つのタイプは、センターの三つ組みとして、それぞれ本能・感情・思考センターに分類されますが、どのタイプであれ、すべての人が本能・感情・思考と言った三つの精神機能を働かせてはいるわけです。それが、どのように機能するのかが、タイプによって違ってくるのであり、またあるタイプにおいては共通のメカニズムを持っていることが見出せます。



9つのタイプがそれぞれ、どのようにセンターの機能とつながっているのかを見てみることにしましょう。


センターごとに色分けした部分の境界線上にあるタイプに着目してください。

➀タイプ1、タイプ2、タイプ4、タイプ5、タイプ7、タイプ8です。

次に内側の線で正三角形を描く線の頂点にあるタイプに着目してください。

②タイプ3、タイプ6、タイプ9です。

➀のグループと②のグループは若干異なるメカニズムが働いています。

まずは➀のグループの方から見ていきます。

各タイプがどのようにバランスを欠いた状態にあるか?

タイプ1:完全でありたい人・改革する人【特徴】本能センターのタイプで感情センターと隣り合っている。

タイプ2:人を助ける人・必要とされたい人【特徴】感情センターのタイプで本能センターと隣り合っている。

タイプ4:個性的でありたい人・情緒豊かな人【特徴】感情センターのタイプで思考センターと隣り合っている。

タイプ5:観察する人・知的に有能でありたい人【特徴】思考センターのタイプで感情センターと隣り合っている。

タイプ7:熱中する人・あれもこれもを求める人【特徴】思考センターのタイプで本能センターと隣り合っている。

タイプ8:挑戦する人・支配しようとする人【特徴】本能センターのタイプで思考センターと隣り合っている。

これらのタイプは隣のセンターを巻き込むことになります。





②タイプ3、タイプ6、タイプ9は、他の6つのタイプとは少し異なります。

これら3つのタイプは、通常の意識状態では自らのセンターの機能とつながっていない、または切り離されたような状態です。自分のセンターとのつながりがあるときには、残りの2つのセンターの機能とつながっていない、または切り離されたような状態になっています。

タイプ3:目標達成する人・ステイタスを求める人【特徴】感情センターの真ん中にあるタイプ。感情センターの機能とつながっていない、切り離されている。かわりに思考センターと本能センターを使う。感情センターとの機能を使っているときは、思考センター・本能センターとつながっていない。

タイプ6:忠実な人・安心安全を求める人【特徴】思考センターの真ん中にあるタイプ。思考センターの機能とつながっていない。かわりに感情センターと本能センターを使う。思考センターの機能を使っているときは、感情センター・本能センターとつながっていない。

タイプ9:平和を作り出す人・平穏無事でいたい人【特徴】本能センターの真ん中にあるタイプ。本能センターの機能とつながっていない。かわりに感情センターと思考センターを使う。本能センターの機能を使っているときは、感情センター・思考センターとつながっていない。

これら3つのタイプには2つのモードがある(リソ&ハドソン)ということになります。

それでは、各タイプのセンターの不均衡について、具体的に見ていくことにしましょう。
 ↓

【関連記事】

 ⇒センターの不均衡について-2:タイプ1、タイプ2、タイプ4

 ⇒センターの不均衡について‐3:タイプ5、タイプ7、タイプ8 準備中

 ⇒センターの不均衡について-4:タイプ3、タイプ6、タイプ9 準備中

 ⇒本能・感情・思考 3つのセンターとエニアタイプについて



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