エニアグラムメディエイターのための指針 ステップ10
【ステップ10】
・本能のバリエーションとサブタイプ(自己保存・性的・社会的)について理解している。
・自分の本能について、支配的な本能とブラインドスポットになる本能がわかっている。
・以上の角度から、自分のタイプについて多角的に理解していると同時に、すべてのタイプについておおよその理解が成り立っている。
本能のバリエーションは、本能センターにおける三つの本能のありようを示しています。これはグルジェフからきているもので、新しく付け加わった概念ではありません。
三つの本能のうち、個人のうちで優位に働いている本能のニーズがあり、また逆に、その本能のニーズに関してあまり関心がもたれていないものがあります。
本能の優先順位から、エニアグラムのタイプは9×3=27タイプに分類されるわけです。
ファシリテーターないし、エニアグラムを伝えようとする人が、27のバリエーションについて知っておくことは大事です。なぜなら、同じタイプでも、何かしら違いがあり、その違いが本能の優先順位の違いによるものだということもよくあることだからです。
27のバリエーションについては、リソ&ハドソン著”The wisdom of the Enneagram"の邦訳エニアグラム【実践編】 人生を変える9つのタイプ活用法を熟読しておきましょう。
もちろん、ファシリテーター自身が、自らの本能の優先順位を自覚し、盲点についても理解していることが必要です。自らの盲点についての実践的な取り組みをしているかどうかも問われます。
本能のバリエーションについては、本サイト外の筆者の別サイトにチェック項目を用意してあります。
中嶋真澄アーカイブ majikanakajima.com
→本能でわかる上手な人との付き合い方ー4
エニアグラムメディエイターのための指針 ステップ11
【ステップ11】
・固着と聖なるアイデアについて
エニアグラムはたんなる性格類型論ではなく、個人の質的は変容(トランスフォーメーション)をうながすものです。私たちの霊性(スピリチュアリティ―)に関わるものです。
とらわれ(passion)がハートのとらわれであるのに対して、固着(fixation)は頭、思考、マインドのとらわれです。これにたいして、各タイプの本質にある開かれた思考(もう少し適切な表現を考えているところです)は、聖なるアイデアと呼ばれています。
これはエニアグラムについてのワークを伴う実践的なプロセスを経なければ、なかなか理解できるものではありません。そのためにも、ワークを続けていきたいものです。
エニアグラムメディエイターのための指針 ステップ12
【ステップ12】
・ワークの組み立てと実践。
ファシリテーターには、すべてのタイプについて、できるだけ偏りなく、ニュートラルな視点で解説できること、参加者がどの人も安心してそこにいられる場を提供できることが求められます。
参加者がその場で話されたことは、外に持ち出さないよう、その場で納めるよう了解をとっておきましょう。
ファシリテーターはワークの中に、いかなるイデオロギーをも持ち込まないこと、自分が中心になってしゃべるのではなく、参加者が自然に話せるような雰囲気を作り出すこと、参加者のプライバシーに踏み込まないこと、他団体や他のファシリテーターを中傷するようなことや貶めるような発言をしない、などの注意が必要です。
参加者の方、一人ひとりの個性と生き方に敬意を表しましょう。
参加者に対しては、全員がなんらか自らの内面について意識を向け、それを他の参加者と共有できるような雰囲気を作っておきたいものです。元気で活発な人たちが盛り上がり、話の中心になって、物静かな人たちは何もしゃべらずに帰った、というような状況にはしないようにしましょう。参加者が気持ちよく、「シェアする」できる場にしたいです。
その一方、ファシリテーターは、文字通り場の促進役として、全体の流れにコミットしながらも、場をコントロールしないことが大切です。自然にその場で起こること、語られることを大切にしていきたいものです。
ワークの前には、ファシリテーターは瞑想を行うなど、静かな時間を持っておくことが望ましいと思います。自我の衝動をそのまま引きずって、ワークを始めるようなことは避けたいものです。