トラブル対処法からみた三つ組み
肯定・合理・本気型
物事の受け止め方や、何か問題があったときの対処の仕方について、3つの異なる態度があり、それによって、エニアグラムの9つのタイプは次の3つのグループに分類されます。
何か問題が起きた時、トラブルに直面した時、わたしたちはどのような反応を示すでしょうか?
◆楽天的な見通しを持つ。=肯定型
◆感情を抜きにして対処しようとする。=合理型
◆感情的に反応する。=本気型
問題状況に直面したその瞬間に、どういう反応を示すか…。
次の項目からあなたの傾向をチェックしてみてください。
【Xブロック】
①自分の人生でそんなに悪いことは起きないと思っている。
②何でもいい方に考え、いい方に解釈してしまう傾向がある。
③人に何かを頼まれると、たいていいい返事をしてしまう。
④自分はなんとなく長生きするような気がしている。
⑤自分はいまのところ、とくにこれといった問題はない。
⑥悩み事を抱えている人には「大丈夫だよ」と言ってあげられる。
⑦起きてしまったことにはたいてい自然に前向きに考えられる。
⑧他の人が深刻に悩んでいても、何がそんなに深刻なことなのかわか
らない。
⑨知り合った人はたいてい受け入れることができる。
⑩結果的には「それでよかった」ということが多い。
【Yブロック】
①何をするにしても、やるべきことをわりあい淡々とやっている。
②身近な人から、感情的に鈍感だとか冷たいと言われることがある。
③何かトラブルがあっても、事実関係を確かめてからでないと対処
できない。
④人に物事を説明するときは、客観的に理路整然と話すことができ
る。
⑤他人がなぜそんなに興奮しているのか理解できないことがある。
⑥周囲の人には自分と同じように冷静な態度でいてほしいと思う。
⑦不愉快なことや腹の立つことがあっても、顔や態度には出さない。
⑧そのときどきの自分の気持ちや感情についてはあまり考えない。
⑨きちんと手順を踏んで、誰もが納得のいくかたちで問題を解決で
きる。
⑩何事にもそれほど楽観的になることもなければ、悲観的になるこ
ともない。
【Zブロック】
①気がかりなことがあると、人に話さずにはいられない。
②自分の感情を表に出さない人は、いまひとつ信用できない。
③自分は冷静なつもりでも、よく「顔に出ている」と言われる。
④人から言われたことを、すぐ真に受けて本気にしがちだ。
⑤心配なことや腹の立つことも、とりあえず人に話せばすっきりす
る。
⑥いつも何かしら、問題やトラブルの匂いをかぎつけてしまう。
⑦自分の気持ちがおさまれば、ほとんど問題は解決したように感じ
る。
⑧自分が腹の立つことや真剣に悩んでいることについては、人にも
「当然だよ」とうなずいてほしい。
⑨困ったことがあると、つい「困った」「困った」と大騒ぎしてし
まう。
⑩どちらかというと、物事を悲観的、あるいはシニカル(皮肉)に
とらえやすい。
Xブロックに当てはまる項目が多かった人は肯定型、Yブロックが多かった人は合理型、Zブロックの項目が多かった人は本気型の可能性が高いです。
そして、以下のタイプである可能性が高いと言えます。
肯定型:タイプ2、タイプ7、タイプ9
合理型:タイプ1、タイプ3、タイプ5
本気型:タイプ4、タイプ6、タイプ8

肯定型
つねに明るい見通しをたて、楽天的に物事を考えます。何事も肯定的に受け止め、前向きに対処しようとします。反面、物事の否定的な側面を見ようとせず、問題があるということを認めようとしない傾向があります。実際に何か問題があっても、自分や他人に「だいじょうぶ」と言い聞かせ、事の重大さを過小評価し、場合によっては、問題を見過ごす可能性があります。
エニアタイプでは、タイプ2、タイプ7、タイプ9の可能性が高いです。
合理型
問題に対して、客観的、理性的に対処しようとします。自分の感情は脇において、合理的に問題解決を測ろうとします。他人に対しても同様な態度を期待するところがあります。問題解決を目的とした有効な解決法を求めますが、その際、自分や他人の感情に気づきにくい面があります。
エニアタイプでは、タイプ1、タイプ3、タイプ5の可能性が高いです。
反応(本気)型
問題や葛藤に対して感情的に反応します。自分はそのことについてどう感じているのかを表現し、他の人からも同じような反応を引き出そうとします。自分自身の感情を最初に処理しなければ、なかなか問題処理に当たれない傾向があります。感情を発散してしまえば、問題は解決していなくても気分がすっきり、それで解決したような気になってしまうことがあります。
エニアタイプでは、タイプ4、タイプ6、タイプ8の可能性が高いです。
もう少し詳しく見てみましょう。
ハーモニックグループ:何か問題があるとき、葛藤や困難に対してどのように対処していくか。
◆肯定的なグループ:7,9,2
「私には問題はない」と、問題があることを否定する。肯定的な態度で失望することを再構築する。自分自身の暗い面に向き合うのが苦手。痛みや否定的な面を見たくない。
タイプ2:
他人のニーズにフォーカスする。自分は人をケアする、愛している。自分自身のニーズはみない。失望や怒りを見ない。問題があるとしたら私ではなく他の人。わたしはノープロブレムだ。
「あなたは問題があるわね。わたしが助けてあげるわ」「私は何も問題はないから、わたしはだいじょうぶ」
タイプ7:
自分自身のニーズにフォーカス。肯定的な経験、楽しみ、行動に走る。自分の痛みや空虚さを見ない。自分はうまくいっている。みんなもうまくいく。すべてはいい方に向かっていく。
「ひょっとしたら問題があるのかもしれないけど、わたしはいい調子よ」「これまでもうまくいったし」
タイプ9:他人と自分のニーズにフォーカスしようとするがうまくいかない。自分の世界を理想化する。親密な人とや周囲の環境との問題をみない。大した問題ではない。
「いったい何が問題なの?」「とくに問題はないと思うけど」
◆合理的なグループ:1,3,5
自分の感情を切り離して問題を合理的に解決しようとする。客観的で、有能であろうとする。理性的に問題を解決しようとし、他人にもそうするよう期待する。システムのなかで自分がどう機能するかということ。家族との関係でそういう態度がつちかわれてきた。
タイプ1:
(社会の)システムの枠組みなかでやっていこうとする。正しくあろうとし、よく機能しようとする。ルールに従う。物事を完全にやり遂げようとする。システムのなかで働こうとする。いい子であろうとする。ルールを無視するような人にイラつく。倫理コードがある。
「良識的に、よく考えて、大人の態度でやれば、きっと解決できる」
タイプ3:
(社会の)システムの内と外で有能であろうとする。効率的であろうとする。目標にフォーカスする。実際的で、仕事をし、行動的である。ルールの恩恵を受けたいが、制限されたくない。実利的。倫理・モラルのとらわれない。
「有効な解決方法がある。仕事していればだいじょうぶだ。」「成功すれば大丈夫だ」「失敗はしない」
タイプ5:
(社会の)システムの枠に縛られない。より情報を求め、論理的思考を用いて、エキスパートになろうとする。思考のプロセスにフォーカスする。感情を抽象化する。
「明るみに出ていない問題がたくさんある。解明されていない問題が。それについて考えよう」
◆本気のグループ:6,4,8
感情的に葛藤や問題に対して反応する。これについてわたしがどう感じているかを知らせる必要があると感じている。葛藤があると自分の感情をまず最初に処理しなければならない。他の人にも自分と同じように感じてもらいたい。感情を発散すれば早く収まる。
タイプ4:
誰かにサポートされたい。見捨てられることを恐れている。人と関わりを制限することで、他者からの興味をひきつけておきたい。感情的に大きく揺れ動き、その感情を表現せずにはいられない。
「とても傷ついている、自分を表現する必要がある…」「たいへん…」「ああ、もう絶望的…」
タイプ6:
自立とサポートを受けたい両方がある。誰かによりかかりたいが、強い自分でもありたい。どれだけ自分に関わってくれるか。どれだけ他の人が信用できるかわからない。信頼と不信の間を揺れ動く。
「じっさい、すごいプレッシャーに感じる。少し発散しないと」「どうしよう、どうしよう…」
タイプ8:
独立している。なるべく、可能な限り人をの助けを求めたくない。他人に支配されることを恐れる。親密さを恐れ、人を信用して弱みを握られることを恐れる。
「すごく怒っているんだ、だから聞いてほしいわけよ」「大変だ、なんとかしなくちゃ」
まとめ:肯定・合理・本気という3つの構えは、わたしたちがどのタイプであれ、誰の中にも見出しうるものです。ただ、その反応のどれが瞬間的に早く表れるかに違いがあります。自分がどのタイプかを知っておくことは、トラブルが生じた時のよりよい対処法を見出すことにつながるでしょう。
このような反応はたいてい、よりショックな事態において無意識のうちに起こりうる反応です。
チームをまとめたり、グループ内で、問題処理にあたるときは、肯定・合理・本気のどのグループにも巻き込まれないようにしなければなりません。
物事は、即座に本気で反応しなければならない場合もあり、問題解決それ自体においては、感情を静め、クールに理性的に対処しなければなりません。そして、いかに先行き不安で、また困難な状況であっても、先の明るい見通しを持つことが必要になってきます。
※ハーモニックグループは米国エニアグラム研究所リソ&ハドソンによる分類です。