共通グループ
自己主張・協調・遊離型
エニアグラムの9つのタイプは対人態度の面から次の三つの共通グループに分類できます。このグループ分けは新フロイト派のカレン・ホーナイの対人態度に関する研究に基づいき、クラウディオ・ナランホによってエニアグラムタイプとの比較が行われています。
さらに、米国エニアグラム研究所のドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソンはホーナイの三つ組みについて、より詳細に言及しています。
ホーナイの三つ組みということで、ホーネビアングループとも呼ばれています。

◆自己主張型
外の世界に関心が強く、積極的に自分を前に押し出していく人です。自分が何を求めているか明確で、その欲求にしたがってアグレシブに行動します。自分の能力や魅力に自信を持ち、欲しいものは自分の手で勝ち取ろうとします。現実的で実際的な面があり、競争社会を生き抜いていくための能力を身につけています。自分の内面にはあまり目を向けず、とくに内面の感情をシャットアウトしようとする傾向があります。
エニアタイプでは、タイプ3、タイプ7、タイプ8が自己主張型のグループに入ります。この人たちは外の世界に関心が強く、積極的に自分を前に押し出していくタイプです。自分か何を求めているか明確で、その欲求にしたがってアグレシブに行動します。欲しいものは自分の手で勝ち取ろうとするでしょう。
現実的で実際的な面があり、競争社会を生き抜いていくための能力を身につけています。自分の内面にはあまり目を向けず、とくに内面の感情をシャットアウトしようとする傾向があります。
ストレートに人に近づく・・・
・タイプ3:目標達成型の人
・タイプ7:楽観的な人
・タイプ8:挑戦的な人
自己主張型は読んで字の通り、「わたしは」「ボクは」「オレは」と一人称単数で語りたがる男女。自分を前に押し出すタイプです。人前で物おじせず、積極的で、はきはきしゃべります。ですから、自己主張型同士はすぐ話が盛り上がります。
◆協調型
協調性があり、周囲の人との和を大切にする人です。価値判断の基準を自分の外に求め、親の価値観や世の中の常識、他人の期待、規則やルールといったものに従います。他人の気持やニーズに敏感で、人と人との間で揺れ動き、自分のことよりも相手の方に焦点が合っています。
自分がいちばんであるよりも、みなと同じであろうとします。他人の評価に影響されやすいところがあります。このグループについて、日本語で「追従型」と呼んでいた時期もありますが、ちょっとネガティブなイメージのある言葉なので協調型に変更しました。
エニアタイプでは、タイプ1、2、6が追従型のグループに入ります。この人たちは強調性があって、周囲の人との和を大切にします。自分が一番になるより、二番手、三番手あたりが居心地がいいといったタイプです。ストレートに自己主張せず、周りの期待やみんなの意向に合せようとします。(タイプ1の場合は自分の意見をはっきり言うので、自己主張型に見えることがありますが、自己主張というよりも、これが正しいという意見を述べているので自分を主張するというコミュニケーション法とは少し異なります)。
常識的で、集団のなかでは規則や約束事に従い、自分の義務や責任を果たそうとします。人に影響されやすい部分があり、自分で決断を下せず、優柔不断になることがあります。
周りの状況や人に合わせる・・・
・タイプ1:完全さを求める人
・タイプ2:人のために尽くす人
・タイプ6:忠実な人
協調型の人たちは、自分がこの場でどう振舞うべきか、周りの人に合わせようとします。人前であまり出すぎてはいけない、しかし、あまり気が利かないのもよくないという考え方をします。「協調性がありますね」というのは、もちろん協調型の人たちには誉め言葉です。協調型の人たちはみなで譲り合い、話を合わせます。
◆遊離型
どちらかというと内向的で、人との間に距離を置き、自分の内面に引きこもろうとする傾向が強い人です。あまり多くを望まず、競争や成功を避け、孤高を保とうとします。他人に邪魔されたくないという気持が強く、人から何かを強いられると頑固に抵抗します。何かを期待されたと感じただけでも、反抗的になることがあります。それほど多くの人との付き合いは望まず、少数の友人との親密な結びつきを求めます。
エニアタイプではタイプ4、タイプ5、タイプ9が遊離型のグループになります。この人たちは人前ではわりあい控えめで、自分の意見や考えをストレートに、そして積極的に、主張することはあまりありません。一人でいることがそれほど苦にならないため、孤独の中で営まれる知的な活動、クリエイティブな作業に向いている傾向があります。おとなしい人でも自分の世界を持っており、人から何かを強いられると頑固に抵抗することがあります。友達はそれほど多くなくてもいいようです。
人から離れひきこもる・・・
・タイプ4:個性的でありたい人
・タイプ5:観察する人
・タイプ9:平和を好む人
遊離型の人たちは、大勢の人の中では控えめで、ちょっと引いたところがあります。おとなしい印象の人が多いです。自分からはあまり積極的に人に近づこうとしません。自分から親しくなろうとはせず、そういうことは「できない」と感じているようです。遊離型の人は、他の人たちの輪に入れず、壁際にぽつんといたりするものです。とはいえ、同じようなタイプの人は、自分と同じ雰囲気を感じ取るので、遊離型同士が近づきやすいということが言えるのです。
対人態度は同じグループが親しくなりやすい
パーティやはじめて行った場所で、親しくなりやすいのは、自分と似たタイプの人たち。似た者同士は近付きやすいのです。三つのグループの特徴を抑えれば、相手のタイプを見分けるための手がかりになるでしょう。
誰の中にも三つの態度は見いだされる。
自己主張型、追従型、遊離型の三つのタイプの特徴は、わたしたち一人ひとりのうちにも、多かれ少なかれ同時に見出されるものです。また、これらのタイプの特徴はどれも、自分の能力を発揮し、良好な人間関係を築き、社会に適応していくために必要といえます。
わたしたちは必要なときには積極的に自分を前に押し出し、自己を主張しなければならないときがあり、そうしなければ、求めるものを手に入れることができない場合があります。どうしても譲れないことがあるとき、自分の意見を通したいとき、就職活動などで自分を売り込んでいかなければならないときなど。競争社会では勝つことによって、自己の能力が認められることになります。
他方、わたしたちは人から離れて一人になる時間を持つことが必要なときもあります。知的な活動やクリエイティブな作業は、孤独のなかで営まれることが多いものです。
また、会社や組織、学校など、集団生活が行なわれる場では、協調性が必要とされ、規則やルールに従うことを要求される場合があります。