2019年2月7日(木)
エニアグラムファシリテーションのために ①
img01

エニアグラムメディエーターとしての指針 ステップ1


 以前のアソシエイツのHPに掲載していたものに加筆したものをここに掲載します。メディエイターとは媒介する者、仲介する人という意味で、エニアグラムファシリテーターとしてワークショップを開催することを目的としている人だけではなく、エニアグラムを学び、エニアグラムを愛し、周りの人たちに伝えたいという気持ちのある人すべてに当てはまる言葉として用いています。

 指針には9つのステップを用意しています。まずはステップ1からです。

【ステップ1】
 ・自分のタイプがわかっている。
 ・自分のタイプの特徴(長所・短所)について理解している。
 ・9つの性格タイプを把握している。
 ・9つのタイプの特徴について理解している。
 ・9つのタイプをニュートラルに説明できる。

※エニアグラムのタイプは自分で探っていくものです。また、タイプ探しが目的ではなく、本来のエニアグラムは自己探求のための一つの指針であり、タイプの特徴とされるものは、自我の形式であるとも言えます。自我は意識的な部分もありますが、多分に無意識的なものを含んでいます。意識的な自我はいわば氷山の海面に突き出た頂点の一角ほどのもので、海面にはそれよりはるかに大きく質量のあるものが沈み込んでいるわけです。

※エニアグラムを人に伝えようとするとき、意識的な自我のレベルにとどまっているのは危険です。自我の意識化に何があるのかを探求のプロセスを通じて理解しておく必要があります。

※まず、自分のタイプがわかった、理解できた。というとき、私たちはエニアグラムのすばらしさに気付き、それを人に伝えたいと思うようになるものです。自分のタイプについての理解は、おのずと他の8つのタイプへの理解を含みます。なぜなら、これは類型論であり、類型論は全体から把握しておくことが不可欠だからです。そこで、必要なのが9つのタイプをすべて把握し、その特徴について理解し、説明できるようにしておくことです。

※さらに、大切なことは、9つのタイプの特徴をニュートラルに語れるかどうかです。自分のタイプについてわかった、9つのタイプについてだいたい理解できた。そうだ、自分の周りにいるあの人はきっとこのタイプだ。彼は、彼女は、このタイプ、あのタイプと、周りの人のタイプが分かったような気になるものです。しかし、同じタイプの人でも、その人の性格傾向と人間性、というか、人間的(精神的)な成熟度にはそれぞれ違いがあるわけです。

エニアグラムでは「性格のとらわれ」という言い方をしますが、同じタイプについて、よりとらわれの強い人をイメージし、それをタイプの傾向として語るのと、より成熟した人をイメージし、その人をイメージして語るのでは、それを受け止める側に違った印象を与えることになります。

つまり、あのタイプはいいけど、このタイプはあまり魅力がないとか、よくないとか。エニアグラムの9タイプはどれがいいとか悪いとか、望ましいとか望ましくないというのはありません。すべて等価です。どのタイプにもそのタイプの強みと弱み、長所短所、そして、そのタイプに与えられた賜物があります。その根底にある本質に根づく美徳があります。

ですので、9つのタイプについて、ニュートラルに語るということはエニアグラムを伝える上においてとても大切なことなのです。

では、どうすれば9つのタイプについてニュートラルに説明できるようになるのか? まずは各タイプの特徴をしっかり理解すること。一つには、リソ&ハドソン師の健全度のレベルについてお読みになるのもよいでしょう。

各タイプを説明するときに、知り合いのだれだれがこのタイプだからと、その人を基準にして語るのは危険です。それはタイプの中の一人として、たとえばこういう人がという例としてあげるなら、参考になるかもしれませんが、その人をタイプの代表のように語るべきではないということです。

他のところにも書きましたが、エニアグラムの視点は“神の目、目線”です。全体から眺める。客観的といってもいいのですが、それではエニアグラムの来歴を踏まえたうえでの説明だと、何かが足りない感じがします。

さて、類型論は「類型」としてとらえるわけですから、あくまでカテゴリーがあり、そのカテゴリーの中に当てはまる個体がある。カテゴリーはグループであって、個人ではないわけです。一人の人から、タイプはこうだと語ることは、逆の視点です。

ステップ1では、まずは9つの性格タイプについて、いずれかのタイプに偏った見方をせず、すべてのタイプの傾向をそれぞれ、善い悪い、望ましい望ましくない、魅力的、魅力的でないなど、バイアスを持たせずに表現することが大事かと思います。

でなければ、各タイプについてだけではなく、エニアグラムについて間違った伝え方をしてしまうことにもなりかねません。また、タイプを持ち出すことが、人を傷つけることにもなりかねないのです。

 

エニアグラムメディエーターとしての指針 ステップ2


【ステップ2】
・自分のタイプのとらわれについて理解している。
・自分のタイプにとくに恵まれた資質(美質)について理解している。
・9つのタイプのとらわれを把握している。
・9つのタイプそれぞれに恵まれた資質(美質)について把握している。
・エニアグラムの来歴(歴史)について簡単に説明できる。

性格のとらわれについては、2つの意味合いがあります。一つは伝統的な考え方からきている9つのパッション(Passion)。イチャーゾがあげた9つのパッションとリソ&ハドソンのとらえ方には多少違いがありますが、このサイトではリソ&ハドソンの考え方を踏襲しています。これはキリスト教の7つの大罪がベースになっており、あと2つが加えられて9つのタイプに振り分けられています。

この伝統的な考え方を理解しておくことは大事です。パッションは各タイプの本質に根差す美徳と対になっています。パッションについて説明するならば、同時に美徳についても解説しておく必要があります。パッションは日本語では「とらわれ」と訳されるわけですが、これは感情のとらわれです。

ステップ2の段階では、エニアグラム初心者の方にはパッションと美徳について(ファシリテーターはもちろん理解しておく必要がありますが)、まだ説明しなくてもいいでしょう。理論的にはステップ6の段階あたりで説明すればいいのではないかと思います。

ステップ2の段階で伝えたいのは、むしろ、各タイプの性格傾向についての説明から、長所がより前面に出てきたとき、それがどのような現れ方をするか、またより短所とされるような傾向が前面に出てきたとき、それがどのような現れ方をするか、ということです。

そこから、どのタイプであれ、自らの性格傾向をより強く推し進めると、その性格のアクのようなものが出やすい、あるいはあまりいい言葉ではありませんが、性格の‘臭み’のようなものが漂い始めることがわかってきます。

性格タイプの持つ傾向が強まれば強まるほど、いかにもそのタイプといった感じの現れ方をする場合があります。自分の性格へのとらわれといってもいいでしょう。それが強まれば強まるほど、自我の防衛機制が働いているとも言えます。

場合によっては、自分の性格の強みを押し出すことによって、現実の世界で成功を収めることも大いにありえます。それが自信となって、ますますその性格を押し出すことになります。しかし、長い目で見た時、個人はそれが本来求めているものを手に入れるところからむしろ、本人を遠ざけることになり、また対人関係において多くの葛藤をもたらすことにもなりかねないということが、自分ではわからなくなってしまいます。

ただ、ファシリテーターがやってはいけないのは、比較的初心者の方がワークに参加された時など、その方の性格のとらわれについて、「これがあなたのとらわれです」と言ってしまうことです。誰でも、自分の性格のとらわれに気付いていないと、それをいいものとしてやっているという場合が多いのです。「それがあなたのとらわれだ」と言われると、人は大いに傷つきます。恥をかかされたと感じる人もいるでしょう。

個々人の人生において、その個人が自分のタイプの傾向を前面に押し出さなければならないそれなりの理由があるはずです。

ファシリテーターは個々人が語っていること以外に、語らないことにも思いをはせる必要があります。その人の内面には他人が推し量れないものがあるということですね。

ステップ2ではエニアグラムの来歴についても触れておきたいものです。エニアグラムは単なるタイプ分類の道具ではないということが、その来歴について紹介することで理解してもらえるでしょう。

ステップ3
準備中です



最新の記事