2018年9月29日(土)
エニアグラムのタイプと対象関係の関連
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幼児期の愛着対象とその関係


 現代心理学では幼児期の愛着対象との心的関係(対象関係)が、大人になってからの対人関係に深く影響していると考えられています。米国エニアグラム研究所のドン・リソ&ラス・ハドソンは、エニアグラムの9タイプを幼児期の愛着対象との関係から、共通の三つ組みに分類しました。これを対象関係における三つ組みと呼びます。

 幼児期の愛着関係は、無意識のレベルで心の働きに影響し、私たちの人間関係、とくに人生のさまざまな場面で出会う重要な人との関係において、影響を及ぼしていると考えられています。

 自分自身の愛着対象との関係からくる心的傾向を意識化できていないと、私たちは人生で大切な人との関係において、何らかの問題を引き起こす可能性があります。相手が変わっても、繰り返し同じような葛藤を抱えることになります。

 私たちの無意識の深層にある幼児期の愛着関係に焦点を当て、エニアグラムタイプにおける支配的なパターンとその特徴について、リソ&ハドソンの研究と解釈に基づいて説明してみましょう。

 対象関係の三つ組みへの理解は、自分が気づかずにやってきた人との関わり方のパターンを認識し、意識的にその問題に取り組むことによって、人生で出会う大切な人との関係を、よりよいものにしていくために役立ちます。

 エニアグラムでは、私たちの性格は9つの基本タイプに分類されるわけですが、タイプの根幹となっているものは生まれもったものと考えられています。それは生まれてからの環境によって、タイプが決まるのではないということを意味しています。生まれてからの環境は性格の健全度に影響すると考えられています。

■性格は生まれ持ったものがあり、生れてからの環境によって形作られるものがある。
 ①生まれ持ったもの(遺伝的なもの、体質・気質など)
 ②生まれてからの環境の影響(親子関係、教育、文化など)

■エニアグラムでは次の三つの言葉は、ほぼ同義的に用いられています。

   性格=パーソナリティ=自我

 持って生まれた性格は、まず気質という形で現れます。子供の気質は、幼児期のかなり早い時期に明らかになってくるでしょう。母親のおなかの中にいるときから、元気な子、おとなしい子と感じられる子もいます。気質は体質と深い関係があります。

 早期の親子関係は、性格のタイプを決定するのではなく、性格の健全度に大きな影響を及ぼすと考えられています。親子関係によって、子供のタイプが決定するのではないということです。また、親のタイプが子供のタイプを決定するわけでもありません。

 父親と母親のタイプの組み合わせから、ある特定のタイプの子供が生まれてくるというわけでもないようです。
たとえ、親のタイプがわかっていたとしても、その親から生まれてくる子供のタイプを予想することはできません。

 というのが、エニアグラム研究者にとって共通の認識であり考え方です。




したがって、まとめると
 ◆親が子供のタイプを決めることはできない。
 ◆幼児期の環境は性格の健全度に関係する。

ということになります。

対象関係における三つ組み
 対象関係の「対象」とは、愛着の対象を意味しています。幼児にとって、それは基本的には母親ということになります。

  →子供にとって母親は最初の愛着対象。

 赤ん坊は最初のうち、母親と一体化した状態にあり、自他の区別ができません。

  →母子不分離の状態

 次第に母親からの分離が始まり、最初の2~3年のうちに、自己と他者の区別が生じ、自我が発達してきます。

  →母子分離  自他の区別

 この分離の仕方が、無意識のうちにそれに引き続くパーソナリティーの形成に影響してくると考えられます。

  →子供は愛着の対象に対して、何らかの感情を持つ。

 次に、自立の過程で、父親的な機能が必要となってきます。母親は赤ん坊を受け入れ、世話する養育的な面を持ち、父親は子供を守り、導き、自立を促す機能を持っています。

 母親的機能:子供を受容し・ケアする。 愛、やさしさ、暖かさ。
   ↓
  母親像 (アーキタイプ)

 父親的機能:子供の自立を促す。保護。導き。厳しさ。コントロール。
   ↓
  父親像 (アーキタイプ)

 父親像・母親像に関して、何らかの”感情的な引っかかり”が生じます。幼児期の愛着パターンは、現実の親がどうであったかということよりも、子供の側の親に対する内的・心的結びつきを表しているものです。

 幼児期の愛着パターンは、大人になってからの人間関係に影響します。エニアグラムの9つのタイプにおいて、特徴的なパターンが見出されることになります。それが各タイプの人生のなかで、あらゆる人間関係のなかで繰り返されることになるわけです。



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 ※異なる時期に書いたので内容が重複する記事があります。

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対象関係から見た三つ組み

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