2020年7月4日(土)
グルジェフとエニアグラム図
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グルジェフとエニアグラム図


古代に失われた知恵の探求
エニアグラム図は20世紀初頭にロシア(コーカサス地方出身)の神秘思想家G.I.グルジェフによって発見されたものです。グルジェフは1865年から1870年ごろの生まれで、若いときから自分は誰か、なぜここにいるのか、人生の本当の意味とはということに疑問を持ち、同じような関心を持つ人々とともに、真実を求める探求者としてグループを作り、知恵の源泉をもとめてアジアや中近東、アフリカの奥地を訪ねました。

彼は紀元前3000年ごろ栄えた古代エジプトやシュメール文明など、文明の発祥地に現代ではすでに失われてしまった知恵があると考えたようです。

当時の旅は文字通り命がけで、グルジェフは旅の途中で友人を失うなどの経験をしながら、アフガニスタンの奥地の古い修道院にたどり着き、そこでエニアグラム図を発見したということです。(※この間の事情については、ピーターブルック監督の『注目すべき人々』という映画をご覧になると、イメージがつかみやすいかと思います。)





エニアグラム図はカバラの生命の樹と関連がある

グルジェフ以前、この図は歴史上のどの時代、どの場所においても見当たらないため、正確なルーツはわかっていません。歴史上残されているシンボル図形の中でエニアグラム図ともっとも関連が深いとされているのが、ユダヤ教の神秘思想カバラの生命の樹で、エニアグラム研究家の間では何らかの関連はあるだろうと考えられています。


グルジェフは東方教会の伝統を組むキリスト教の教えに精通し、7世紀の起こったイスラム教のなかでも厳しい修行を行うスーフィー教団の神秘思想にも詳しい人物です。グルジェフはエニアグラム図を用いて独特の宇宙論や音階についての理論を展開していますが、9つの性格タイプについては言及していません。
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