エニアグラム・メディエーターないしはトランスミッターとなるべき人のためのガイドライン(原案)
以下のチェックリストはエニアグラムを学んでいる人が、各段階をクリアしているかどうかを一つひとつチェックしていきながら、自己理解を深め、9つのタイプについての認識を深めていくための手助けとするものです。
このチェックリストの全項目が、現在エニアグラムアソシエイツのワークショップや勉強会で、テーマとして取り上げられているものです。
エニアグラムを教えている人々はでは、ワークショップの進行役を、場の促進役という意味で、ファシリテーターと呼んでいる場合が多いようですが、わたしたちはエニアグラムの知恵を、自分が理解している範囲で人に伝えていくという意味で、メディエーター(mediator:媒介者ないしは触媒として働く)ないしはトランスミッター(transmitter)という言葉を使いたいと思います。
自己チェック表
ステップ1
- 自分のタイプがわかっている。
- 自分のタイプの特徴(長所・短所)について理解している。
- 9つの性格タイプを把握している。
- 9つのタイプの特徴について理解している。
ステップ2
- 自分のタイプのとらわれについて理解している。
- 自分のタイプにとくに恵まれた資質について理解している。
- 9つのタイプのとらわれを把握している。
- 9つのタイプそれぞれに恵まれた資質について把握している。
- エニアグラムの来歴(歴史)について簡単に説明できる。
ステップ3
- 本能・感情・思考三つのセンターについて理解している。
- 自分のセンターについて、自分自身の気づきから説明できる。
- 各センターのタイプの共通点と中心テーマについて理解している。
- 各センターの真ん中にある、プライマリータイプの特徴について理解している。
- センターの概念がどこから来ているか、その由来について説明できる。
ステップ4
- ホーナイの三つ組み(自己主張・追従・遊離型)について理解している。
- 自分のタイプがどの型に入り、どのような特徴を持つかを他の型との関連で説明できる。
- ハーモニックグループ(肯定・合理・反応型)について理解している。
- 自分のタイプがどの型に入り、どのような特徴を持つかを他の型との関連で説明できる。
- ホーナイの三つ組み、ハーモニックグループ、ならびにセンターの三つ組みを複合的に組み合わせた理解と、説明ができる。
ステップ5
- エニアグラム図の内側の線の結びつきや各タイプの位置関係について説明できる。
- 自分のタイプについて、統合の方向と分裂の方向の意味について理解している。
- 9つのタイプの統合の方向と分裂の方向について把握できている。
- ウイングのサブタイプについて、自分はどのサブタイプかを理解している。
- 18のサブタイプについて、ニュートラルに説明できる。
ステップ6
- 自分のタイプのパッションと美徳を理解している。
- 各タイプのパッションと美徳について、ニュートラルに説明できる。
- 本能のバリエーションとサブタイプ(自己保存・性的・社会的)について理解している。
- 自分の本能について、支配的な本能とブラインドスポットになる本能がわかっている。
- 以上の角度から、自分のタイプについて多角的に理解していると同時に、すべてのタイプについておおよその理解が成り立っている。
ステップ7
- 性格タイプの垂直構造(意識のレベル)について理解している。
- 意識のレベルについて、性格タイプを理解する上で、どのような尺度として用いればよいかを理解している。
- 垂直構造のなかで働く心理的なメカニズムについて把握している。
- センターのアンバランスについて理解している。
- 9つのタイプについて、センターのアンバランスの問題をニュートラルに説明できる。
ステップ8
- 対象関係のエニアグラムについて理解している。
ステップ9
- 気づきを促すワークの組み立てができる。
※わたしたちのエニアグラム理解は、米国エニアグラム研究所ドン・リチャード・リソとラス・ハドソンの理論と実践的トレーニングの体験にその多くを負っています。
しかしながら、リソ&ハドソンのエニアグラムにとどまらず、セラピストのトーマス・コンドンのエニアグラム、カトリックグループのエニアグラム理解も取り入れつつ、自らの学んだエニアグラムについて吟味しつつ、批判的に乗り越え陽とする勇気を持ち、真の知恵の獲得をめざしていきたいと思っています。
エニアグラム・メディエーターないしトランスミッターは、次のようなことを心がけています。
- 自己の問題を他者に投影しない。
- 自分自身が他人に対して行う巧妙な(あるいは無意識の)心理操作に敏感で、また他者からの心理操作を受けないよう、つねにそのことに自覚的であろうとする。
- 自らのこころの傷や痛みにたいして敏感でありながら、それに飲み込まれず、他者のこころの傷や痛みにたいしても敏感で、共感的でいようとする。
- たとえ、自ら至らぬ存在であると感じても、あきらめない。
- どんなときにも、ユーモアの感覚を持ち続ける。
- 人のタイプを決めつけない。etc