古代の人々は、人知を超えた神の意志や宇宙を中心に物事をとらえていました。現代のように、人間中心主義ではありませんでした。

エニアグラム図は、円と正三角形、そして正三角形の頂点に置かれた三つのポイント以外の6つのポイントを結ぶ変六角形で構成されています。

円とは「完全」を意味します。完全なものとは神です。あるいは宇宙全体。人知を超えた聖なる意思といってもいいでしょうか?人が精神的に成長発展していく道というのは、神に近づく道を意味していたのです。

昔から、神に近づく道として、霊的な修行の道や悟りを得るための方法などが考えられ実践されてきました。

グルジェフによれば、それにはこれまで三つの方法があった(三つの方法しかなかった)というのです。グルジェフは、それを第一の道、第二の道、第三の道と呼んでいます。

第一の道

ファキールの道とも呼ばれます。これは苦行の道で、本能センターに働き掛けます。昔から身体的な苦行を行う人々がいました。ヨガなど、なんらかの身体を通じた実践です。

でも、この第一の道はふつうの生活を捨ててでないとできません。世俗の生活を捨て、家庭をもつことや家族と一緒に暮らすことをあきらめ、職業を持たず、すべてを捨てて、行かなければなりません。

第二の道

これはモンク(僧侶)の道とも呼ばれています。感情センターに働きかけ、ハートの変容をめざすものです。これは聖なるものにたえず祈りをささげ、神をたたえる歌を歌うなど、僧侶や尼僧のような生活を意味します。

これも、ふつうの生活をしていたらできません。出家しなければならない。お寺や修道院など、そういうところでの生活となります。在家でもほとんど、神にささげる生活ということになるでしょう。

第三の道

これはヨーギの道とも呼ばれています。頭のなかを静かにし、瞑想の世界に入ります。仏教の禅の修行などがそういったものになります。しかし、禅の修行に全人生をかけて、悟りを得ようとするというのも、これも世俗的な生活を送っているとむずかしいものです。

第四の道

これら三つの道に対し、グルジェフは第四の隠れた道があるのだと考えました。それは「ずるい人の道」とも呼ばれています。
ずるい人の道は、先の三つの道のように世俗の生活を捨てなくてもやっていける道です。日常生活をしながら、世界のどんな場所にいようと、歩むことのできる道ですが、隠れているので、周りの人には、その人が第四の道を歩んでいるとはわからないのです。

エニアグラムは、まさにこの第四の道への取り組みなのです。わたしたちは普通の生活をしながら、より高次の生き方を求め、精神的な進化発展を目指し、スピリチュアルな自己成長の道を歩んでいくことができます。